畳の性能
安心安全な生活を送るための様々な性能が畳にあります
和室の床に用いられている伝統的な建築材料である畳には、人々が安心安全な生活を送るための様々な性能があります。長年の使用に耐えられる耐久性だけでなく、衝撃を吸収する柔軟性や断熱保湿性など、多くの役割を果たします。
畳の性能
畳は和室の床に用いられる伝統的な
建築材料です
畳という床材料は、住文化の中で世界に例を見ない、 日本独自に発達してきたもので、独特の文化を象徴するものとなっております。最近では、住宅建築の洋風化が一層進み、和室の存在は希薄になりつつあります。また一方では畳の良さというものも見直され、和室という住文化が日本の伝統を継続し日本人の精神形成に欠かせないものとして注目されています。
1:曲げの強さ
畳は、その構成材料や畳床の厚さによって曲げ強さが変わります。硬さや剛性、あるいは弾力性など、畳に要求される基本的な性能として捉えられ、畳の丈夫さ(強さ)を意味しています。
2:硬さ
畳には、ある程度の弾力性と柔軟性のある硬さが必要です。 例えば、畳の上で転んで頭や身体を打ち付けた場合でも衝撃を吸収する柔軟性があります。
3:圧縮強さ
畳は、長年にわたる使用にも耐える性能でなければなりません。 人の歩行によって繰り返し踏みつけられたり、家具などによって長年押さえつけられもします。 厚さ40cmにも重ねた稲わらをわずか5cmまで圧縮することによって生じる復元力が、稲わら畳床の弾力と耐久を生みます。
4:吸放湿性
稲わらや、イ草(畳表)は自然の資材です。 素材の特性から、わずかながら湿気を吸収し、また放出する性質があります。 しかし吸湿する速度に比べ放出する速度は遅く、蓄湿する性質があるため、放湿効果を上げるためにこまめな換気が必要です。畳は、居住する人間の暮らしを快適にしてくれるアイテムです。
5:断熱保湿性
稲わらには熱を伝えにくい特徴があります。稲わらの空洞がその高い断熱性の秘密でもあり、一度温かい状態になると熱を逃がさない保湿の役目も果たします。実際に床材として用いた場合、カーペットなどに比べて圧倒的に厚いことから、透過熱量が小さく保温性に優れています。これは、畳の敷詰めが普及するようになった室町時代頃からの日本人の知恵でもあります。
6:寸法安全性
畳は、敷きこんだ後に若干の寸法変化がおこることがあります。 それは畳床の膨張や収縮によって起こることが考えられますが、 極端な吸放湿がない限り、隙間が空いたり畳が持ち上がったりすることはないといえます。
7:床衝撃音遮断性
高い吸音性で生活する不快な音をしっかり抑えます。
階下への床衝撃音の緩和にも効果的です。